注意! 今回はお肉屋さんの話です。少し生々しい写真もありますので苦手な方はブラウザの「戻る」ボタンで別の記事に移ってください m(__)m
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さて唐突ですが、スーパーマーケットって便利ですよね。
「超」市場!
市場に行っていろいろな店を巡るのは楽しいものですが、一か所で買い物が完結できるのはとても便利なシステムだと感じます。
というのも、ネパールでは日本や多くの国で見られるようないわゆる「スーパーマーケット」というものはほとんどありません。
いや、スーパーマーケットと名乗る店はありますし、そこでは色々な食料品、日常雑貨、衣服、家電まで手に入ります。
でも、生鮮食料品の品ぞろえがいまいち…
少量の野菜と冷凍の肉が少しあるくらいで、新鮮な肉や野菜は別の店で買わなければなりません。
一方、野菜などは近所の小売店や市場で新鮮なものが安く手に入るので、そちらで買うことがほとんどです。
さて、今日はネパールの『肉屋』についてご紹介します。
ネパールでは鳥・豚・水牛・ヤギ肉などが、それぞれ専門の肉屋(マスパサル)で売られていることが多いです。
※ひとことネパール語メモ マス=肉 パサル=店
ネパールではジャート(民族)によって食べる肉が分かれています。例えばカトマンズに多く住むネワリたちは水牛(バフ)をよく食べますが、ここタライ地方では水牛はそれほどメジャーではありません。鶏(ククラ)肉やヤギ(カシ)肉は多くのジャートの人が食べますが、豚(ブングル)肉を食べない民族も多いです。民族にかかわらずベジタリアンの人も結構います。
最近ではジャートごとのそうした特色も薄れているとは言いますが、やはり自分たちが食べ慣れない肉はちょっと・・・という人も多いです。
肉屋が種類ごとに分かれているのには、そんな理由もあるのかもしれません。
さて、ネパールの肉屋というのははなかなか生々しいお店です。
鳥やヤギなどは首を落としたまるまんまの状態で店先に置かれていて、そこから好きな部位を切り分けて量り売りしてもらいます。

首が切られ、皮に防腐処理されぶら下がるヤギ肉。お客が来ると肉を削ぎとって切り売りします
ヤギ肉って日本ではあまりなじみがありませんが、スープにしたりカレーにしたりするといい味が出ます。脂身が美味。
日本から来た当初はグロテスクな光景にぎょっとしましたが、まあ人間慣れるものです。
ネパールで普通、それを小さい塊にカットしてもらい、マサラで炒めて食べます。
もちろんそれはそれで美味しいのですが、私たちは唐揚げ、トンカツ、ソテー、シチュー、角煮など、好みの方法で食べたいので、サイズや部位を指定して切ってもらいます。
骨も皮も脂身もいっしょくたなので、 豚肉などは部位を良く選ばないと、脂身だらけなんてことにもなりかねません。

大量の豚肉。今日はなぜか大量に在庫があります。肉と部位を選んで切ってもらいます
この部分を何グラム(キロ)下さいと頼むと、パサルの人が大きな包丁で肉を切ってくれます。
豚などの太い骨も、包丁と言うより斧に近い刃物で豪快にぶった切ります。

小さくカットせずにそのまま受け取れば、ローストチキンや角煮などの塊肉の料理にはぴったりです。

表面が赤いのは、血ではなくそういう色を塗ってあるんだそうです。

豚肉屋の包丁。斧のように骨までぶった切れます
しかしその逆に、その辺のパサルでは薄切はできないのでおのずと調理法も限られてしまいます。
大きな塊のまま買ってきてできるだけ薄く切っても、薄切り肉のようにはなりません。
鶏肉の場合、買った肉はバーナーで炙って殺菌(?)してくれます。
まあそれはそれとして問題は保存。
スーパーで肉を買うのと違って、部位や切り方を指定したりと手間がかかるので、一度にキロ単位で買って保存しておけると楽です。
しかも、肉自体は新鮮なのですが、暑い国なので保管状態や衛生状態が今一つ心配。買ってすぐ調理するならいいのですが、肉の保存には少し気を使います。
私たち、日本では月に一度の肉屋の特売日に薄切り肉をまとめ買いして、何枚かづつラップで小分けして冷凍し、調理する分だけ電子レンジで解凍していました。なのでこちらでも1回分にラップで小分けして、ラップやジップロックに入れて保存しています。
ジップロックは日本から持ってくる必需品の一つです。
ネパールではジップロックのような信頼できる入れ物は見かけないので、とても役立ちます。
全て冷凍保存するには冷蔵庫が小さいので、保存するためには色々と工夫もしています。
その工夫の一つについては別の記事「手作り食材シリーズ」でご紹介したいと思います。
by サントス