ネパールの秘境・マディ旅行記~リアル・アドベンチャー体験&ホテル情報

ネパールの秘境・マディの旅行記を今日はご紹介したいと思います。

マディは有名なチトワン国立公園の裏にあります。そこへ行くにはチトワンのジャングルを越えて行かないと、辿り着けません。

私たちはすこし息抜きがしたくなり、マディに行こうかとサントスと意気投合したのでした。

マディはどんな秘境の町で、どんな体験ができたのか?秘境のホテルとは?そんな情報をお伝えします。

 

私たちがなぜマディに興味を持ったかについてはこちらの記事をご覧ください

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baffalow in river

マディへの旅を計画する

2017年の8月11日、ネパールのチトワン県、ビラトナガルなどで、大きな洪水被害がありました。

幸いチトワン県では亡くなった人はいませんでしたが、ソウラハのホテルで足止めになった観光客を、ゾウを使って救出したことが報道されていました。

その洪水でマディも被害が出ているとは聞いていましたが、8月20日頃から天気ががらっと変わりました。

雨季のピークは脱したようで、何日も日照りが続き、ガルミ(暑さ)が戻ってきました。なので、マディも大丈夫だろうと思いました。

念のため、マディに一軒だけあるホテル『シャンタ ガール(穏やかな家)』に電話したところ、洪水の影響で数日間続いていた通行止めは解除されたとのことで、「ティッカイ チャ(まぁまぁだよ)」との答えでした。


1日目 マディに向かった

 

そんな訳で、8月末の日曜日マディに向かいました。ホテルの主人の話ではバラトプルという町のチョウビスコッティという交差点からマディ行きのバスが出るとのこと。

朝9時ごろでしたが、道沿いにバスがずらっと並んでいます。一番先頭のバスが、マディ行きでした。

bus to Madi
バラトプル・チョウビスコッティ

 

マディのどこに行くんだ?と、聞かれます。『シャンタ ガール』とホテル名を言うも、知らない様子。地図を見せると、奥のほうなので一人150Rs.とのこと。少し待っていると乗客が埋まってきて、9時30分にバスは出発しました。
 
バスは30分ほど走ると、だんだん家もまばらになってきて、都市からガウン(田舎)の雰囲気に変わってきます。道々でバスを待っている乗客がいて、拾いながら進みます。

1時間走ると、マディに行く途中にあるジャガトプルに到着。『チトワン ナショナル パーク』の看板が出てきます。この国立公園はとても広いので、あちこちにゲートがあるようです。

 

Chaitwan National Park gate

jangle in a road

※チトワンのジャングル、ここジャガトプルからはバイクでも抜けれます。

 

マディにマイタ(実家)がある知人の女の子が、マディに行くときにたくさんジャナワル(動物)を見ると言っていました。熊、ガイラ(サイ)、ムリッガ(鹿)、チトワ(ひょう)など…。

「サッチャイ?(本当に?)」と聞くと、「サッチャイ ヨー(本当だよ)」との返事。

なので、どんな動物たちが見れるのか、ワクワクしながら窓の外をじっと見つめます。…が、行きは全く見れませんでした💦

時間がもっと早いか、遅いかなら、見れたのかもしれません…。35分ほどのミニサファリ(しかも150Rs.)を終え、バスはいよいよマディに入ります。

 

madi road

 

マディに入ると、のどかな田園風景の中に点在する家々は、小さな素朴な家々。瓦屋根の家が多く、瓦も独特です。この独特の家の造りが、マディ特有なものなのか、ネパールの昔ながらの仕様なのかはわかりません。

atraditional house in Madi

 

そして、マディに入った途端に、バスはクラクションを鳴らしながら走るようになりました。「バスが来たよ~」と合図を送っている様子。マディではバスが唯一の交通機関です。

都市部ではたくさん走っているオートリキシャやマジック(乗合バン)も見なくなりました。

バスは、クラクションを聞いて慌てて家の前まで出てきた乗客を、次々と乗せてゆきます。ちなみにこのバスはマディのさらに奥の村、トリまで行くそうです。

 

waiting bus
クラクションを聞いて家の前にバスが来るのを待つ人々

 

しばらく走ると川に差し掛かりました。けっこう増水していますが、橋がありません。バイクや歩く人が渡りきった後に、バスも慎重に進みます。

少し走ると次にかなり大きな川に差し掛かります。また、橋がありません。どうも増水で通れなくなっていたのはこの川のようです。

両岸を見ると、人・自転車・バイク・車が集まって様子を見ています。人は膝まである水をじゃぶじゃぶとかき分けて歩いていますが、バイクはエンジンが水没しそうな深さですし、自転車で渡るのも難しそう。

でもここでは橋のない田舎ならではの交通機関が活躍していました。それは…

 

baffalow in river
雨季で川が増水していた

そう。ここでは橋代わりにバイシー(水牛)の渡しが活躍していました。バイクを乗せたり、荷物や人を乗せたり…。

バスが進むにつれ、マディは川が巡らされた町であることに気付きます。そして、なんとひとつも橋がない!

後日マディ出身の友人にお聞きしたところ、もともと二つの川には橋があったそうです。今回の洪水でその橋が流されてしまったとか!水の勢いというのはすごいものですね…。

なので少し雨が続くと町の中でも移動が分断されてしまうのです。昔の日本でもこんな光景が見られていたのかもしれません。

バスは約8つの川を、水しぶきを上げながら越えて、私たちのホテルの近くに到着したのでした。バラトプルのチョウビスコッティから2時間半でした。

 

bus going in water

こちらは水深の浅い川。これもれっきとした「道路」です

 

シャンタガールに到着する

 

八つの橋のない川を渡り、マディの奥に辿り着いた私たち。バスごと川に何度も入水したことに、カルチャーショックを受けていました。

ホテルはどこか?周りを見回すもそれらしきものは見当たらず…。

人に道を聞くのが嫌いな夫。無駄にエタウタ(うろうろ)歩き回るのが嫌いな私。
 「シャンタガール バネコ ホテル ターチャ? カタ?
 (シャンタガールというホテルを知っていますか? どこですか?)」
 と、結局私が聞いて歩きます…(^-^;

 

バスを降りて3,4分でゲートが見つかり、入って行こうとすると、オーナーが笑顔で現れました。「アウノス、アウノス(いらっしゃい)」。

オーナーに付いて行くと、ホテルに行くには手前の川幅5-6メートルの小川を渡る必要がありました。雨季で増水していたので、大きな石をオーナーが探して、渡れるように置いてくれました。

river ahead Shantaghar
この小川を超えてシャンタガールに到着
shantaghar around
2本の川の間に位置するシャンタガール、横には田んぼが広がります

 

そして、私たちが予約していた安い部屋は、洪水の後雨漏りがひどくて使えないそうで、デラックスルームにアップグレードして下さいました。

delaux room
デラックスルーム寝室。隣にベンチスペースもあり

 

話を聞くと、洪水のあとでは、私たちが最初の泊まり客だそうです。そもそも、この辺ぴなマディを訪れる観光客はまれで、10、11月のハイシーズン以外は宿泊客は少ないそうです。

でも、私たちはマディのこの宿がとても気に入りました。私たちの部屋のベランダのチェアーに座ると、この景色です。

Kopila
『 Shanta Ghar Resort』に泊まるなら、ぜひデラックスルームへ!
サントス
我々はアップグレードだったけど、抜群に良い部屋だったね!
view from Shantaghar
ベランダのチェアーに座るとこの景色!鳥たちが入れ代わりやって来ます。

緑が広がり、向こうにはコラ(川)が流れ、その後ろのジャングルはインドに続いてます。

 

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マディを散策して温泉を見つけた!

 

 

午後はまだまだ時間があったので、私たちは町の散策に出かけることにしました。ホテルの向こうの川を下っていくといいと言われ、チャッパル(ビーチサンダル)を借りて、ジーンズを膝までたくり上げて、川に入ります。

ちょうど良い冷たさです。15分ほど慎重に歩いてゆくと、町の主要道路にぶつかりました。その手前に座って眺めていると、何台もバスや、バイクや自転車が川を渡っていきます。空にはシラサギたちが気持ち良さそうに飛んでいます。

 

bicycle in river

bus in river

bua in river

 

私たちが写真を撮っていると、通りかかった若者たちも「写真を撮って…」と。観光客がめずらしい様子です。

young peaples

 

バスをよけるために川の端っこによけたのですが、ん?何だか水が温かい。「タトパニ(温泉)だっ!」

二人でテンションが上がります。ネパールでは、ヒマラヤの方に行くと何カ所かタトパニが出るところがあるのは、知っていました。

でも、まさかタライ地方にもタトパニがあるとは!?(本当に温泉かどうかは不明です(^^;)…とはいえ、人肌ほども熱くないお湯でしたが、川の中を歩き回って少し冷えた足には、とても心地良かったのでした。

meet hotwater

 

この日は町のバクラ(やぎさん)やバイシー(水牛)たちに、挨拶しながら宿へ帰り、宿の奥さんの作った美味しいダルバートを食べたのでした。ちなみに、このダルバートには、バクラのスパイス炒めが添えられていました。

ヤギと聞くと日本では「臭い」というイメージがありますが、ここネパールでは一番の高級品なお肉です。脂っこさや癖は無く、コクがあり、少し弾力があり、日本人も好きな味ではないかと思います。

little goats

kopila image

delicious nepal meel

 

天気は曇り空で、あいにく満天の星は見れませんでしたが、ホテルの周りの川にはジュンキリ(蛍)が飛んでいます。そうして夜は更け、蚊帳をかけたベットで快い眠りについたのでした。

 

二日目 チトワンのジャングルのきわでアドベンチャー体験‼

bird watching in shantaghar

 

旅の二日目。せっかく大自然の宿にいるからと、朝6時前にチャラチュルンギ(鳥たち)の鳴き声で目覚めました。

この『Shanta Ghar』、バードウォチングに最適な場所でした。宿の裏の川沿いの茂みに鳥たちの寝ぐらがあり、夕方には群れを成して帰ってくる姿に圧倒されました。

双眼鏡片手に見ていると、朝から何種類ものスガ(オウム)が群れで宿の周りを飛び回ります。スガはとても飛ぶのが速いのが特徴的……時速何キロくらいで飛べるんだろう?

又、カワセミ色とりどりな鳥たちも入れ代わり立ち代わりやって来ます。鳥たちは木々にゆったり留まって、豊かな自然を楽しんでいるように見えます。綺麗な鳴き声が響きわたり、ずっと眺めていたい気分でした。

chick prover bird in a branch
ネパールでよく見られる“シリアカヒヨドリ”

 

私たちが起きているのに気付いたオーナーが、「チヤ(紅茶)飲みますか?」と声をかけてくれます。本当は朝ごはんが食べたかったのですが、ネパリの習慣は朝はチヤだけ飲んで済ますので言い出せず…、おとなしくチヤを頂きます。

そして、ここはジャングルに囲まれた町。動物を見に行きたいと、オーナーに相談しました。「案内するよ」と、すぐに出発です。靴はやっぱりチャッパル(ビーチサンダル)です。
 
宿から10分ほど歩くと、チトワン国立公園が少し先に広がっています。ただ、公園の手前に入場料の要らない緩衝地帯があり、そこを歩いて動物を探しに行くことに。

 

walking outside gangle river

 

この緩衝地帯、何本も川が流れていて、道はほとんど沼のようです。履き慣れないチャッパルでは、えっちらおっちらとしか歩けないのですが、オーナーは小柄でも現地の野性人。サクサク、どんどん進んで行ってしまいます。
 
突然、立ち止まったオーナー。「アウノス(いらっしゃい)。チト、チト(早く)」と、声が掛かります。ただ、沼に足をとられて、早くは歩けない…💦マユール(野性の孔雀)が三羽いるとのこと、遠くに何となく姿は見えました。

歩く道沿いに、今朝のものと思われるブングル(野性の豚)の足跡が付いています。大きな足跡は、ガイラ(インドサイ)の親子のものです。ひと気のない早朝、動物たちがここまで来ているようです。
 
その後、ジャングルに近づくために、川をいくつも渡ります。膝は超えないもののけっこうな水深があり、渡るのも流されないように命懸けです。川を渡ると、ごつごつとした石の上をチャッパルで歩く、歩く…。

マディのジャングルのきわの散策は、水辺を歩きます。履きやすいウォーターライドタイプのサンダルを持参しましょう!こぴらはビーチサンダルを借りましたが、歩きにくく大変でした(-_-;)
warking ina river
へっぴり腰に見えますが、流されないよう踏ん張っています!

 

足場の悪い中を1時間半ほど歩き、もうへとへと…。オーナーとサントスは数十メートル先を歩いています。

朝ごはん食べてないしな~、でも昨日の夜たくさん食べたから、まだ胃の中に食べ物はあるはず……そんなことを考えながら自分を励ましていた矢先、早く来いとまたオーナーから声が掛かります。
 
顔を上げると、ジャングルから20匹ほどムリッガ(鹿)の群れが、出てきています。私は遠くに姿を見ただけですが、サントスは双眼鏡でしっかり見れたそうです。

satated jangle wark
オーナーとサントスに後れを取って歩くこぴら

 

その後、町の主要道路に出れる道を探して、宿に戻り約3時間の探検は終わりました。たぶん…私の人生でもっとも野性に近い3時間でした。二人だけでは入り込めない場所を案内してくれた、オーナーに感謝です(^.^/))

宿に戻ると朝ごはんにと、ロティ(薄いパンのようなもの)とチアを頂きます。その後少し仮眠し休んだら、昼には美味しいダルバートを頂いて、帰路に着いたのでした。

 

water buffalo tired to a yoke
 

byebye madi 

 

往路よりは川の水量も下がっていましたが、再びバスはクラクションを鳴らしつつ、八つの川を渡って戻ります。

そして、マディを出るとジャングルに再び入ります。帰りは窓から数匹のムリッガ(鹿)と、後ろ姿でしたがのようなジャナワル(動物)が見れました

バラトプルから片道2時間半で行ける秘境の町・マディ。冬はネパールの国鳥ダーンフェ(虹色雉)がヒマラヤから、越冬のため姿を現すそうです。ダーンフェも一度は見てみたいから、今度は冬に行こうか…そんなことを話しながら、帰り着きました。また元気に働ける力を得られたことを感謝しつつ、短いバカンスを終えたのでした。

マディ出身の友人によると、ジャングルに囲まれたマディでは、毎年2,3人動物に襲われて亡くなるそうです。夜間は出歩かないことや、危険な場所には信頼できるガイドと共に行くことなど、大切なようです。

 

マディの物見やぐら

マディの川沿いにはいくつもこのような物見やぐらがあります。ジャングルウォークはきつそうだというかたは、このやぐらに双眼鏡をもって出かけることをお勧めします。気軽に野生動物を観察できますね。

wacth towaer in madi

 

♠私たち愛用の双眼鏡です。本格的なつくりとスペックにもかかわらず比較的安価。

これでたくさんの鳥や星が見られます。

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atraditional house in Madi
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