日本で“サファリ”というと、サファリパークのことが思い出されるかもしれません。広い敷地に放し飼いにされた動物たちを、車に乗りながら見て回るイメージです。コンパクトにまとめられていて、動物の遭遇率も高くて楽しいですよね。
または、アフリカの大自然の中、動物たちの群れをジープで観察するのにも憧れます。でも、遠いアフリカまで行かなくても、南アジアでもサファリを楽しめます!!
今回は、ネパールタライ地方のおすすめ観光スポット『チトワン国立公園』のご紹介です。
- カトマンズからどんなふうにいけばいいの?
- どんなアクティビティがおすすめ?
- 季節はいつがいいの?
- 個人旅行とツアーとどちらがおすすめ?
そんな疑問にお答えします。
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名前が物語る人気の観光地
ネパールのタライ地方で最も人気のある観光地は、この『チトワン国立公園』でしょう。 ネパールのことをあまり知らない時は意外でしたが、タライ地方には亜熱帯のジャングルが広がっています。
このラプティ川の対岸にチトワンのジャングルが広がります。
『チトワン国立公園』の敷地は東西80km、南北23km、総面積932㎡の広大な敷地です。
インドサイ、インドゾウ、ベンガルトラ、数種類のワニ、シカ、クジャクなどの野生動物を、サファリで見ることができます。
また、チトワン県は世界で鳥類の生息数もNo.1で、“バードウォッチャーの楽園”。500 種類の野鳥を観察できるそうです。
チトワン県の由来“チトワ”とは、ネパール語でヒョウのことです。サファリでヒョウを見たとは聞かないのでちょっと不思議ですが、県内にはヒョウが生息しているのでしょう。
また、チトワン県のすぐ隣には“ガイラコット”という町がありますが、この“ガイラ”とはインドサイのことです。
事実、ガイラコットの町には、農作物を食べによく“ガイラ”が今でも現れます。
そんなふうに県や町の地名になるくらい、身近に動物の生息する大自然がネパールには広がっています。
チトワン国立公園の歴史
チトワン国立公園は、かつては王家の狩猟場でした。
1973年、開発が進むタライ地方のジャングルを保護するために、国立公園に指定されました。
1984年には、この自然保護公園は『ロイヤル・チトワン国立公園』として、ユネスコの世界遺産に登録されました。その後、ネパールで王政が廃止されてからは、『チトワン国立公園』として知られています。
2019年1月7日のAFP通信社のニュースによると、2009年にはネパールに121頭しかおらず絶滅寸前だったベンガルトラが、2018年には推定235頭まで増えてきたとか。順調に保護がすすんでいるようです。 ネパール全土でその数ですから、あまり多いとは言えませんが、野生動物を保護すると同時に、私たちも楽しめる国立公園とは、素晴らしい取り組みだと思います。
チトワン周辺の気候と服装
ネパールのタライ地方は、季節の移り変わりは沖縄と似ているようです。
[12,1月]は冬。昼間は15-20℃近くなりますが、朝晩は7-8℃まで冷え込みます。
[2,3 月]は初夏。昼間は20-30℃ほど。汗ばむものの快適です。
[4-9月]は猛暑。昼間は40℃を超えてきます。真昼間の活動は控えるのが賢明です。
[6月後半〜9月前半]雨季です。暑さは少し和らぐものの、日本の梅雨以上の降水量。道はぬかるみますが、雨が降るのはたいてい明け方と午後数時間です。午前中でしたら、屋外のアクティビティも可能です。午後はレインコートなどがあると安心です。
[10,11月]は秋で最高の季節!雨季も終わり、昼間は25-30 ℃ほど。朝晩は15℃くらいまで下がり快適な気候です。この時期は空気も澄んでいて条件がよければ、タライ地方からもヒマラヤ山脈をのぞめます。
服装の注意点
○ジープライドやエレファントライドは、冷えます。一枚余分に上着を用意しましょう。
○タライ地方の日射しは強烈です。日焼け止めをしっかり塗り、帽子やサングラスを用意しましょう。
○スニーカーなど歩きやすい靴を履きましょう。
チョウダリ族の住むガウン(村)に隣接
チトワン国立公園のある周辺は、主にチョウダリ族が住んでいます。少し色が浅黒くて、顔立ちはカトマンズに多く住む民族とは異なっています。
チョウダリ族の多くは、あひる・水牛・やぎなどの家畜とともに昔ながらの暮らしを送り、そして昔ながらの土壁の家に住んでいます。煮炊きも屋外に作った土のかまどで行っています。ですので、タイムスリップしたような、懐かしさを味わうことができます。
また冬(12,1月)は周辺に広がる菜の花畑が世界一美しいのではないかと、こぴらは思っています。ぜひ、周辺の町や田園風景をお楽しみ下さいね。
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アクティビティ&私たちの旅行記
チトワン国立公園で楽しめる各種アクティビティを、私たちの体験も交えてご紹介します。
国立公園入場料 Rs.1950程度
国立公園に立ち入るための入場料。
何日まで有効なのかわかりませんが、私たちは一泊2日の滞在でRs.1950でした。
ネパリだと入場料がRs.50という噂も。
ジープライド Rs.1700程
国立公園内の敷地を、ジープで4時間ほどかけて回り動物を探すアクティビティ。
ジープは、専用の屋根も窓もない開放的な定員12名ほど。
ガイドも同伴し、動物が近くにいると教えてくれます。
動物がいても、大きな声を出してはいけません。逃げてしまうよ。
ただ、本当に“野生のサファリ”ですので、日本のサファリパークのように次々と動物と遭遇できるわけではありません。その分、動物に遭えた時はテンションが上がります!!
私たちは、一度目はインドサイ、クロコダイル、野生のゾウ、イノシシ、シカなどが見れました。
特に野生のゾウは、私たちのジープにどんどんと近づいてきました。
あと20m…というところで、ガイドが危険と判断し、藪にガソリンを撒き火をつけました。
火を見て、ハッティ(ゾウ)はジャングルの中に帰って行きました…。
翌年、訪れた時はインドサイ、クロコダイル、イノシシ、フクロウ、数種類のサル、シカ、数種類の野鳥を見れました。
最初の年(2016年11月)はジープの台数が多くて、これでは車の音に反応して動物たちは逃げ出すのではと、危惧しました。翌年訪れた時は、ジープの台数制限がきちんとなされていました。
ジャングル中をくまなく回れるので、効率の良いアクティビティでおすすめです。
[おすすめ度★★★★★]
ジャングル・ウォーク Rs.1000〜時間による
国立公園内を歩きながら、動物を探すアクティビティ。
ジープライドより安く、午前中だけ、又は一日中というプランもあります。
ジープライド中、ジャングル・ウォークのグループを見かけますが、4-5人の小さなグループの前と後ろにガイドが付きます。
あるウォークグループは「バーグ(トラ)を見た!」と言っていました(ジープに乗った私たちは足跡だけ見ました^^;)。いくらか危険も伴うかもしれませんが、静かに移動するため、動物の遭遇率は高いかもしれません。体力のある人向きです。
[おすすめ度★★★★]
エレファントライド Rs.2300
ゾウの背中にくくりつけられた、木のいかだのようなものにまたがって、ジャングルの中を巡るアクティビティ。
バランス感覚が必要なようです。動物たちはジープほどはゾウのことは警戒しないため、ガイラ(インドサイ)などを間近で見られるようです。
ただし年齢制限ありです。70歳近いサントスの両親と行った時は体力的にキツイだろうし、危険でもあると断られました。60歳までと言っていたような…。
また、エレファントライドは、厳密には国立公園の中には入らないと聞いたことがあります。国立公園の入場料なしにアクティビティが楽しめるのか、現地ツアーデスクなどに確認が必要です。
[おすすめ度★★★★★]
カヌーライド Rs.1300 程
チトワン国立公園のきわを流れるラプティ川をカヌーで下り、水辺の動物や水鳥などを見て回るアクティビティ。
所要時間はツアーデスクによって異なりますが、エレファント・ブリーディングセンターと抱き合わせで2時間ほどでしょうか。 暑いタライ地方でのカヌーライドは、本当に気持ちが良いです。
私たちは、クロコダイル、シカ、野生のクジャク、カワセミ、シラサギなどが見られました。野生のクジャクはとても大きく美しく、自然界にこんなに綺麗な鳥がいることに感動しました!
私たちは、カヌーライドを終えてソウラハの町に戻って来た時、ガイラ(インドサイ)にすぐ近くで遭遇しました。ガイドから、車から絶対に降りないようにと、指示されました。ガイラやハッティ(ゾウ)は民家を壊してしまうこともあるそうです。緊張しましたが、ヨロイカブトのような巨体を身近で見られてよかったです〜。
また早朝のカヌーライドでは、ツバメが川岸に巣を作り忙しく飛び回っていました。日本ではツバメは民家の軒先などに巣を作りますが、ネパールのツバメはどこに巣を作っているのか?疑問に思っていたことが解決しました(^^)
[おすすめ度★★★★★]
川岸にいるワニは肉食のものもいます。ネパールでは川岸で泳いでいた子どもがワニに足など食べられた話も聞きます。川には入らないよう気をつけましょう。
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バードウォチング Rs.500-2000
ジープや徒歩で野鳥の多いスポットまで行って、観察するそうです。チトワン県は世界一野鳥が多いので、様々な鳥を見ることができます。ただ、ほかのアクティビティでも野鳥も見られますので、野鳥が好きなことをガイドに伝えておくとよいでしょう。
✿チトワンで見られる主な野鳥
○キングフィッシャー(カワセミ)
○インディアンローラー(インドブッポウソウ)
○スガ(オウム)
[おすすめ度★★★]
ナイト・バーグ(ベンガルトラ)・ウォッチング 不明
国立公園の敷地内の木の上に造られた簡素な小屋に泊まって、夜行性のバーグ(トラ)を見ようというツアーです。 ガイドに聞いたところ、昼間のバーグ(トラ)遭遇率は、ガイドでも一年で3回ほどとか。どうしてもトラを見たいなら、ナイトウォッチングも試してみる価値はありそうです。
[おすすめ度★★★]
エレファント・ブリーディングセンター Rs.50
遊ぶ子ゾウたち
だいたい、カヌーライドと抱き合せになっていることが多いのですが、メスのゾウとその子どもの繁殖センターです。子ゾウがかわいいですし、母子のふれあいの様子が見れて、微笑ましいです。
ただ、早朝には野生オスのゾウが、繁殖のためジャングルから時々やってきます。野生のゾウは大変危険です。通常の時間帯には問題ないと思いますが、もし見かけたなら決して近づかず、その場から離れましょう。 ちなみに、姿を見せるオスのゾウは一匹だけ。最も強いオスのみが、ブリーディングセンターのすべてのメスのゾウと交配するのだとか。
[おすすめ度★★★★]
クロコダイル・ブリーディングセンター Rs.100
こちらは国立公園内にあり、ジープライドの途中で立ち寄りました。別途入場料がかかります。ワニを繁殖していますが、成長すると海外の動物園などに売っていると、聞いた記憶が‥。ちょっと色白な様々な大きさのワニを見られます。野生のワニとの違いを観察するのも楽しいです。
[おすすめ度★★★]
エレファント・ウォッシュ Rs.不明
お昼ごろ、ソウラハの中で飼われているゾウを水浴びさせてあげます。水浴び中のぞうに乗って、ゾウからも水をかけられるとか!濡れてもいい服装で行きましょう。私たちは行ったことがありませんが、とてもフォトジェニックな写真が撮れるそうですよ。
[おすすめ度★★★]
タルー族のダンス Rs.200
ソウラハ周辺に住んでいるタルー族(チョウダリ族)の、伝統的なダンスを見ることができます。タルーカルチャーハウスにて、夜7時頃から1時間ほどのショーになります。スティックを使ったり、火を使ったり、興味深いですよ。
[おすすめ度★★★★]
ネパールの物価は日本では考えられないほど、年々上がっています。こちらは2018年の情報になります。又、ホテルで手配するより現地ツアーデスクの方が安いですし、またツアーデスクごとに値段も異なっています。詳しくは現地ツアーデスクでお問い合わせ下さいね。
個人で行く場合のプランニング
◆◇旅行の手配◇◆
チトワン国立公園を訪れる場合、カトマンズのツーリストデスクで予約をすることもできます。カトマンズ〜ソウラハ(チトワン国立公園の起点)までバス移動、ホテル、アクティビティ込みで2泊3日で200$〜300$(1人)ほどが相場のようです。アクティビティはエレファントライド+カヌーライドのことが多いようですね。
もちろんホテルのランクや、アクティビティの内容によって値段も異なります。ご利用されるときには、どのアクティビティに参加したいのか、ホテルのランクなど、希望をはっきり伝えることが大切です。
パッケージツアーのメリットは“楽ちん”なことです。また、専属のガイドが、オプションで色々と連れて行ってくれることもあるようです。
いっぽう私たちはいつも個人で行きますが、個人手配でもそんなに手間ではありません。
現地ホテルでチェックインした後に、ホテルの人がアクティビティについて説明してくれます。そこで頼めばすべて手配してくれます。少しでも安く済ませたいなら、ソウラハをうろうろするといくつもツアーデスクがあります。ホテルより若干安くなるので、そこで値段と内容を聞いて交渉しましょう。
◎個人旅行の場合の一例‥
ツーリストバス[カトマンズ〜ソウラハ]往復Rs.1,200
ホテル[チトワンビレッジリゾートの場合]2泊Rs.4600 (1人分は半額でRs.2300 )
国立公園入場料 Rs.1950
ジープライド Rs.1700
カヌーライド Rs.1300
タルーダンス Rs.200
ソウラハでの昼食 Rs. 500 2日でRs.1000
ソウラハでの夕食 Rs.1000 2日でRs.2000
合計 Rs.11550 (1人)
個人手配の場合、このくらいに費用を抑えることもできます。 またその他のメリットとしては、チトワン国立公園以外の周辺の観光スポットを、自由にアレンジして組み込むこともできます。
チトワン国立公園までカトマンズから飛行機で行くことも可能です。
その場合、バラトプル空港まで約25分のフライトです。費用は12,000ルピーくらいでした。
バラトプル空港からは、ハイウェイ沿いのローカルバスに30分ほど乗りトリで下車し、トゥクトゥク(三輪タクシー)に乗り換えます。
◆◇プランニング◇◆
カトマンズから2泊3日で計画しましょう。
カトマンズを出発するツーリストバスは朝6:30頃、現在はタメルの北・ソーラクッテから出発です。途中の休憩をはさんでソウラハに到着するのは、おそらく午後1時過ぎです。ネパールのバス旅はけっこう体力を消耗します。 体力のある人でしたら、到着した午後にさっそくアクティビティもいけると思います。
ただ体力に自信のない方は、到着したらホテルでまず休憩し、翌日のアクティビティの予約をし、早めの夕食を取るのがおすすめ。午後7時からのタルーダンスを見たら夜は早々に休んで、翌日に備えて下さいね。 午前のアクティビティはたいてい朝8時出発です。前の日までに予約を済ませて準備しましょう。
日本語で予約ができる“エレファントツアーズ”
タメル地区にある、私たちがよく利用させてもらうツアーデスクはこちらです。 オーナーのスティールさんは日本語がぺらぺらでとても親切です。 ツーリストバスの予約のみでもOKです。飛行機の予約もこちらで相談しましょう。
ソウラハ以外の起点
広大なチトワン国立公園ですが、有名なソウラハ以外にも実はサファリの起点がいくつかあります。また、いずれそのことも書きたいと思います。
まとめ
一部インドの国境もまたいで、ネパールタライ地方に広がる広大なジャングル『チトワン国立公園』。サファリを楽しむ方法についてお伝えしました。ネパールを訪れる際には、ぜひ『チトワン国立公園』にも足を運んで見てくださいね。ネパールの多様性に感動することができますよ。
チトワン国立公園の裏側の町・マディについてはこちら
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