「クーラーのない世界に行きたい‼」その願いがネパールで叶ったお話

こぴらが子どもの時は、クーラーなんて世の中に普及していませんでした

よく考えるとデパートや銀行なんかにはあったのかもしれないけれど、家庭では、夏は風鈴を窓辺に吊るし、その涼し気な音を聞きながら、風を入れて暑さをしのぐのが普通の光景でした。

 

チリーリリーン…チリーリリーン…と。

それに子どもの頃、夏の暑さがそこまで辛いと思ったこともなかったのです。

一年のなかで夏が一番好きだったし、昼間はミンミンゼミの鳴き声とともに暑かったけれど、川やプールで体を冷やして、朝晩はそれなりにさわやかな風が吹いていました。

 

私が小学校高学年か中学に入る頃だったか、記憶はあいまいなのだけどある時、父が

「今度うちにもクーラーが付くよ」と言いました。

その時、子どもながらに「え??クーラー?文明の力かもしれないけど、このままで夏は全然快適に過ごせてるのに、必要ないよ!」と、心の中でものすごくそれを拒否する気持ちが沸き起こったことを覚えています。

その時代の風の心地よさを覚えているので、クーラーのない時代を懐かしんでいました。

ネパールへ行くとそこは45度の暑さの中、クーラーのない世界でした。その世界がどうだったのか、この記事でお伝えしています。

クーラーが普及した世の中に変わって

 

そんな訳で、私の学生時代は小学校〜高校まで学校にクーラーはありませんでした。

それでも普通に勉強できていました。

ところが、世の中ではバブルの勢いとともに、1985年くらいからクーラーの普及が加速していった感じがします。

 

そして私が20歳になった頃(1990年)から、地球温暖化のことが問題になっていきました。

大阪では真夏は37℃を超えてきて、経験したことのない暑さに倒れる人が続出。

町に吹く風は熱風。クーラーの室外機から出る熱風で、涼しい風は吹かなくなってしまいました。夏に外を歩くとサウナに入っているかのようで、汗とめまいが止まらない‥。

僕も暑い…

 

大阪市内に住んでいた時は最悪で、コンクリートジャングルの中、暑すぎて夜も寝れない。夏は地獄のようでした。

いつの間にか、夏はいちばん好きな季節から、いちばん嫌いな季節になっていました。

データで見る 大阪市の猛暑日(35℃以上)の数

1961年 5日

1970年 3日

1980年 7日

1995年 28日

2010年 31日

大阪管区気象台データより

 

最近は、クーラーのある部屋やお店から、外に出ると灼熱。車を降りると灼熱。一日のなかで極端な温度変化があり、自律神経がおかしくなりそうです。

そして、クーラーのなかった子ども時代を懐かしむようになりました。

あの頃は夏も吹く風は涼しくて、よかったなぁ。あの時代に世の中戻ればいいのに!」

 

とはいえ、日本の夏でエアコンを使用しないのは、熱中症予防の観点からも現実的ではありませんね。資源エネルギー庁の調査によると、夏の日中(14時ごろ)の一般家庭における電力消費は照明や冷蔵庫を抑え、エアコンが最大(58%)です。8割以上の人はエアコンの消費電力を少なく見積もっているそうです。

ダイキン工業株式会社によると、エアコンの設定温度を1℃上げると、約10%の省エネ効果が期待でき、窓に日よけ(よしず)を設置する、フィルターを掃除するといった対策を実施することでさらに20%以上の省エネ効果があるということです。

地球環境のことも考えつつ、エアコンを使っていきたいですね。

世界と日本のクーラーの歴史についてはこちらのサイトでまとめられていました。

株式会社エコ・プラン

知っているようで知らないエアコンの歴史をご紹介します。…

 

クーラーの無い世界に行きたい夢がかなって

ネパールタライ地方は、ブーゲンビリア、ハイビスカスなどが咲き誇る亜熱帯地方

 

4年前ひょんなことから、ネパールへ行くことになりましたが、私たちの行く先・タライ地方は真夏の4~5カ月45℃を超える暑さだと知りました。

そんなところで人は生きていけるんだろうか?

戦々恐々とする私たち‥

 

ところがそこへ移動してみると、確かに暑い。でも吹く風は涼しいのです。

そう、ネパールの地方都市は“クーラーのない世界”だったのです。

 

野鳥の楽園でもありました

 

いえ正確に言うと、銀行や大きなスーパーマーケット、高級ホテルにはクーラーがあります。

でも、一般家庭のクーラーの普及率は1%にも満たず、室外機の熱風が吹き荒れることはありません

 

「ああ、やっぱりクーラーがないと、ちゃんと自然は涼しい風を吹かしてくれる。」

 

 

自律神経がおびやかされることもなく、暑い時間は家で休んでいれば、朝晩は快適に過ごせる

自然界には、クーラーの働きをするものがちゃんと備わっていて、大きな木陰に入れば十分涼しくて、大きな川面を渡ってくる風は涼しくて‥

そうした世界が地球に残っていたことに、安堵するのでした。

 

in nepal
チョウタラの天然クーラーの下で休憩するこぴら

 

もちろん日本では、これだけ世の中が暑くなってしまっては、クーラーを使わずにいると身体を壊してしまいます。

皮肉なことに、今の先進国の異様な暑さは、快適さを求めた文明がもたらした人災‥。

でもいつか、地球の能力を最大限生かした、自然のクーラーでうまくまわる世界。そうした世界に戻って行くことを、願うばかりです。

とはいえ、45℃を超える暑さの中、私たちは無策で過ごしていたわけではありません。

どんな対策して、どんなグッズを日本から持ち込んでいたのかは、また次回ご紹介させてくださいね。

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