海外手作り食材シリーズ・第2弾は「ベーコン」です。
ネパールでは日本食材が手に入りにくいのですが、西洋料理の食材も場所とタイミングによっては手に入れるのに苦労します。
私たちの町の大きな店にはベーコンも手に入るのですが、仕入れが安定していないので良く品切れになります。
それに前に記事でも書きましたが、ネパールで肉を買うのは少々手間がかかるうえに保存が一苦労。
手に入るのは塊肉なので冷凍しても使い勝手が悪いんですよね・・・
※関連記事 ネパールの肉屋 (マスパサル)
そんなわけで、問題解決のためにベーコンを手作りすることにしました。
まだ試行錯誤な面もありますが、我が家の手作り方法をご紹介します。
目次
材料
・豚肉(バラ塊肉) 1kg (お好みに応じて多くても少なくてもOK)
・ピックル液(ソミュール液)
水 500ml
塩 75g
砂糖 5g
ローリエ 3枚
黒胡椒(粒) 15粒
ニンニク 1/2かけ (包丁の縁でつぶす)
しょうが 1/2かけ (包丁の縁でつぶす)
玉ねぎ 1/6個
お好みのホールスパイスやハーブ 少々 (クローブ・山椒・ドライバジル・セージ等)
ウイスキー 1たらし(あればお好みで)
スパイス以外特に特別な材料はありません。
作り方
①ソミュール液(ピックル液)を作る
ソミュール液とは、豚肉に中まで塩を浸透させるために漬ける濃い塩水の事。そしてピックル液とはその塩水にハーブやスパイスなどで味をつけたものです。
ウイスキー以外のソミュール液の材料を鍋に入れ、沸騰したら20分ほど弱火で加熱します
煮ていくうちに薄く色づいて、ハーブの香りが漂ってきます。
火を止めたら香りづけのウイスキーをたらし、冷まします
②豚肉の下ごしらえ
ネパールでは買ってきた肉はお店の人がペタペタ触っているので、塩もみして流水で洗っておきます。日本で売っているような清潔な肉なら何もせずともOK。あとで濃い塩水につけるのでそれほど神経質にならなくてもいいかと思います。
塩が中まで浸透するよう、フォークで肉をぶすぶすと刺します。 以上
いったん液に漬けてから写真を撮るのを忘れて取り出したので黒いものが付いていますが、これはスパイスです・・・
③塩漬けする
タッパーやジップロックの中に豚肉を入れ、冷めたソミュール液を注ぎます。ジップロックを使うと少ない液でも塩漬けにできます。全体がしっかり漬かるように、タッパーやジップロックはスペースに余裕のある物を使ってください。
そのまま冷蔵庫に入れ1週間塩をしみこませます。基本的には放置しておけばOKですが、タッパーに余裕がなくしっかり浸らない場合などは、全体に塩が染みるよう途中でひっくり返してください。
時間がない時は4日くらいでも何とか大丈夫ですが、保存できる期間が少し短くなるかもしれません
タッパーがなかったので小さな容器になってしまいましたが、もっと浸るくらいの方が良いです。
1週間後。肉が縮んで汁が出ているのがわかります。
④塩抜きする
中まで塩が浸透した豚肉を取り出して、少し洗ってから大き目の容器に入れます。そこに水を張って2時間放置して塩抜きします。
※大切なポイント
中まで塩抜きするために水につける時には、すこーしだけ水を出しっぱなしにしておいてください。糸くらいの細い水でも大丈夫です。水が少し動いている状態になることが大切です。
細ーい水でOK。よく見ると水の表面が動いているのがわかると思います
④塩抜きできたかどうか確認する
肉を少し切って、加熱して食べてみましょう。もしまだ塩辛いようであれば塩抜きが不十分なので、もう少し塩抜きしてください。
⑤乾燥する
塩抜きができたら、表面を乾燥させます。湿ったまま燻製すると酸化して味が落ちてしまいます。
冬であれば風通しの良い涼しい場所に網やざるなどに入れて置いておきます。ほこりが気になる人や暖かい時期は、蓋などをせずザルに入れて冷蔵庫に入れておきます。1晩置いて表面に少しツヤが出てくれば乾燥OKです。
⑥燻製する
燻製とは煙で燻すこと。この工程が面倒くさいと感じられる方も多いと思います。
でも今回ご紹介するのは、専用の道具もチップも手に入らない場合でも、簡単にベーコンが楽しめる「なんちゃって燻製」の方法です。
燻製:用意する道具
中華鍋+鍋蓋 または深めのフライパン2個(同サイズの物)
鍋の大きさより少し小さなサイズの網
紅茶 大さじ4(日本茶やウーロン茶でもOK フレーバーティーはやめておいた方が無難かもしれません)
ザラメ 大さじ3
燻製の手順
1.中華鍋の底にアルミ箔を引き、その上に紅茶とザラメを混ぜたものを敷く (アルミ箔を引いておくと、鍋の焦げを掃除するのが楽です)
2.中華鍋のサイズに合わせて網を調整する。下の紅茶に肉が触れない程度の隙間ができるよう調整してください
3.コンロにセットし火をつけて紅茶+砂糖から煙が出るまで強火で熱する
※砂糖を入れるのは煙を出すため。紅茶を入れるのは香りを出すためです
この上に網を乗せ、肉を乗せて燻します。煙は映りませんでした・・・
4.煙が出てきたら、弱火にして鍋蓋またはもう一つの中華鍋を蓋代わりにかぶせる。その際すこーしだけずらして空気が入るようにしておきましょう
5.15分たったら一度ひっくり返してもう15分熱します。計30分程度で完成です。肉の厚みによって時間が異なりますので、一度真ん中を切って確かめてください。まだ火が通っていなかったら、追加で火を通しましょう
⑦熟成させる
すぐに食べても良いですが、一晩冷蔵庫に入れておくと味がなじみます。
⑧食べる
完成! 今回は少し火を通しすぎたみたいです。まだまだ修行が必要です・・・
文字で見ると時間がかかって大変そうに思えるかもしれませんが、実際はちょこっと作業して放置の繰り返しなので、手間としては大したことは無いと思います。自分で作れば安くできるので、厚切りベーコンステーキにしても良し、炒め物に混ぜてもよし、カルボナーラなどに入れるのも良し、料理の幅が広がります。
ベーコンの手に入りにくい地域にお住いの海外在住者の皆さん。手作り派の皆さん。ぜひ一度試してみてくださいね。
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